地球に優しく。サスティナブルシーフードが広げる未来。
スジアオノリの陸上養殖。
志摩時間 2022年秋号より
左から杉原シェフソムリエ、塚原和食総料理長、野呂さん、樋口総料理長、栗野料理長、奥村さん
日々の観察とデータを駆使する、陸上養殖。
また、スジアオノリは地下海水にチッ素やリンなどの養分を配合し掛け流しで、成長に合わせて養分量などが異なる水槽に移し替えながら約1ヶ月かけ育て上げます。始め0.5㎜程だった苗は収穫時には長さ80㎝にもなるそうです。「スジアオノリは繊細で水温に敏感。常に温度との戦いで目が離せないです」と奥村さん。
日々の目視だけでなく、リアルタイムモニタリングシステムも導入。各水槽の水温、気温、累計日射量などを計測し、データとスジアオノリの発育状態や生産量を比較しながら安定出荷を行っています。
高品質のスジアオノリは、進化するテクノロジーと人の熱量で育つ。
出荷前のスジアオノリの箱を開けるとその豊かな香りに「想像以上ですね」と塚原和食総料理長、杉原シェフソムリエ、栗野料理長は驚きの様子。
野呂さんは「生産開始から3年目。研究室とは違い、四季があるなかで生物を育てる難しさを感じる日々です。でも上手く行かなかったときには、日々のデータを分析して原因を探り、新たなシステムを導入し解決することができるのが我々の強みだと思っています。海での養殖はコントロールに限界があります。陸上養殖でできることを最大限に活かし、海洋資源を支える未来の一端を担えればと思っています」。
樋口総料理長は「豊かな香りと美しい色は、初めて伺った時に驚きと感動がありました。スジアオノリを季節を問わずに安定して使わせていただけることに感謝しています。気候変動で海の環境も変わっていくなか、他の海藻の陸上養殖の研究も進んでいるとお聞きしました。これからが楽しみですね」。
スジアオノリを纏った伊勢まだい ブールブランソース
海藻のなかでも香り、風味が良いスジアオノリ。通常は粉末で販売されていますが長く成長する姿を活かしたく板状で仕入れさせていただきました。美しい緑色を見た目にも愉しめるひと皿です。
伊勢まだいは塩をあて、旨味を閉じ込め形よく成形するため44度で低温調理。魚の上にクリーミーなマッシュポテトを絞ります。スジアオノリを細くスジ状にほぐしたら魚とマッシュポテトを巻きオーブンで焼き上げます。
仕上げのブールブランソースで酸味とコクを加えながらも、全体の味わいは軽やか。熱することでさらに高まるスジアオノリの素材本来の豊かな香気を愉しめるお料理です。
品質にとことんこだわった、南伊勢産陸上養殖スジアオノリの魅力をぜひご賞味ください。
10月〜11月の「エレガンス(¥27,000)」「アバンタージュ(¥18,900)」コースにてお召し上がりいただけます。
※入荷状況によりご用意できない日がございます。
フレンチレストラン「ラ・メール」 | ザ ベイスイート5F ディナー 17:30-21:00(L.O.19:30) ※現在営業時間を一部変更しています。 |
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志摩観光ホテル季刊誌「志摩時間」
そんな季節の移ろいとともに、志摩観光ホテル季刊誌「志摩時間」では、地元の文化や豊かな自然などを通じて、伊勢志摩の四季をご紹介しています。