伝統のホテルブレッド
受け継がれる製法と技。
志摩時間 2023年春号より
ホテルレストランでのご提供や、ショップで販売している約15種類のパンは、毎朝ホテル内の工房で5名のペストリー部門の職人が生地から手作りして焼き上げています。
早朝6時、石窯オーブンから小麦とバターの芳醇な香りが漂う工房。
手早く生地を作る小﨑ペストリーシェフは20年以上、パンを担当しています。「季節や天候によって日々変わる気温や湿度に合わせて発酵のタイミングを見極めています。また、材料の配合もパンによって違いますし、レシピだけでなく手の感覚でも生地の仕上がりを確かめるなど、経験が必要な仕事です」。
話しながらも絶えず動き回り、生地やオーブンの中を確認。
「パンは生き物ですからね。時間とタイミングがとても大事なんです」。
オーブンからは三重県産あおさを使ったロールパンや、レストラン用のハードロールなどが次々と焼き上がります。
定番のラインナップに加えて、樋口総料理長からこだわりのパンのオーダーが入ることもあるそうです。「スープがよく染み込むようにと配合を変えたり、イベントでは特別なパンを作ることもあります」と話す表情には、ホテルの料理を支える名脇役としての誇りを感じました。
受け継がれる製法と、技が織り成すクロワッサン。
たっぷりの発酵バターを重ね層にしていく
材料を合わせた生地は一次発酵(フロアタイム)後、冷蔵庫で休ませます。
発酵の状態を確認したら生地を伸ばし、たっぷりの発酵バターを挟み27層に折り重ねたら再び休ませます。「発酵バターをたっぷり使うことでコクが深まり贅沢な風味と味わいになります。バターの量が多いと焼いた時に表面がひび割れることもあるので、バターと生地を層のまま焼き上げるための温度管理は長年の経験が活きています」。
生地を再び伸ばし三角形に切って成形。生地に切り込みを入れ、くるりと丸めて上から手で圧力を加えて伸ばし、結び目を作ります。手早く程良い力加減がポイント。
「切り込みを入れるのは、焼き上がったときにふんわりとした風合いにするため。仕上がりの美しさにもこだわっています」。二次発酵後、石窯オーブンで焼き上げ、蒸気で表面につやを付けたら完成です。
クロワッサンを切ると表れる蜂の巣状の美しい断面は、発酵が上手くいった証。
「パン作りは種類や工程が多く時間との闘いですが、一つひとつの丁寧な仕事の積み重ねで仕上がりに差が出ます」。
毎朝、工房で様々なパンを変わらない味で作り続けるペストリー部門の圧倒的な経験は技となり、これからも受け継がれていきます。
贅沢素材がぎっしりと詰まった、志摩産イチゴのデニッシュ。
様々なパンが並ぶ店内
今回、志摩産イチゴを使い贅沢に仕上げたデニッシュを、期間と数量を限定して販売します。
たっぷりのバターを使ったデニッシュ生地を成形したら、カスタードクリームを敷き詰めてオーブンへ。焼き上がったらホテル特製のイチゴジャムを塗り、志摩産のイチゴをたっぷり飾ります。
バターの香りとサクッしたデニッシュ生地の食感に、新鮮なイチゴのフレッシュな香り。イチゴの果実と溢れる果汁の上品な甘味と酸味が濃厚なカスタードクリームと溶け合う味わいは至福のひと時です。
上質なイチゴの産地ならではの優雅な気持ちに浸れる贅沢なデザートパンをお愉しみください。
志摩産イチゴのデニッシュ
販売日 | 毎週土曜日販売 |
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販売 | ザ クラシック ショップ |
料金 | ¥480 |
販売期間 | 3月4日(土)〜4月15日(土) |
- 売り切れ次第終了となります。
- 入荷状況により販売を終了する場合があります。
志摩観光ホテル季刊誌「志摩時間」
伊勢志摩の地は、ゆるやかな時間の流れに合わせて、表情を少しずつ変えながら、四季折々の味覚や色彩を私たちに届けてくれます。
そんな季節の移ろいとともに、志摩観光ホテル季刊誌「志摩時間」では、地元の文化や豊かな自然などを通じて、伊勢志摩の四季をご紹介しています。