真珠の里、鮑の産地の魅力を愉しむ。

匠の技で輝く、真珠や鮑の母なる貝。

志摩時間 2022年夏号より

真珠貝を入念に研磨をして輝きを引き出す

真珠貝の輝きを引き出すため入念に研磨を繰り返す

七色の輝きを放つ境さんの作品

七色の美しい輝きを放つ境さんの作品

穏やかな英虞湾は、美しい真珠が育つことから「真珠のゆりかご」とも呼ばれます。真珠はあこや貝に包まれながら、貝の養分を吸収して静かにゆっくりと成長します。
真珠の母貝である「あこや貝」、そして「鮑貝」は螺鈿にも使われる、真珠層を持ち、熟練の技で磨き上げることで真珠のように美しく輝きます。
 

貝工芸人の境さん

貝工芸職人の境さん

昭和40年から志摩市で貝殻の加工を行う境工芸社の二代目、境一久さんを訪ねました。

境工芸社ではあこや貝や鮑貝を使ったアクセサリー類、皿やキャビアスプーンなどの食器や雑貨などを手掛けています。
 

本真珠付真珠箸

本真珠付真珠箸

境さんが制作した「本真珠付真珠箸」はG7伊勢志摩サミット参加の各国首脳に贈呈されました。
貝の輝きは伊勢志摩の魅力と話す境さん。
「鮑貝は強度があるため削るのにも時間が掛かります。4〜5時間くらいかけ、やすりの目の細かさや機械を変えながら段階的に仕上げます。磨きすぎたら割れや傷ができ、薄いほど七色に美しく輝く。加減が難しい作業です」。
高い技術で独自のスタイルを貫く貝工芸職人の境さんは、伊勢志摩で仕事を続けることが嬉しいと言います。
「真珠養殖の里で世界にない物を創る。貝も手を掛ければ輝き、お客さんに喜んでいただけるのでやりがいを感じますね」。

真珠や鮑の母なる貝の輝きには、境さんと同じ大らかな優しさを感じるのでした。

取材日:2022年3月
真珠の里、鮑の産地の魅力を愉しむ。

真珠が育つ英虞湾を眺めながら愉しむアクティビティ。
志摩観光ホテルの料理で提供される「鮑」の貝殻やあこや貝を境工芸社でプレート型のパーツに加工し、ホテルオリジナルチャームを作ります。
 

伊勢志摩の魅力をお話しながらワークショップを行う山本さん

伊勢志摩の魅力をお話しながらワークショップを行う山本さん

アクティビティの講師は伊勢で50年以上の歴史を持つヤシマ真珠の山本行太さん。
代々伊勢志摩で真珠に携わる事業を展開する家系に生まれ、都心での宝石バイヤーやアパレルブランド勤務の経験を活かし、現在はパールジュエラーとして活躍しています。
近年、若い男性の間でも人気のパールネックレスに代表されるような、新たな時代にあったスタリッシュなアイテムを展開する山本さんは、あこや貝や鮑貝にも大きな可能性を感じると話します。
「伊勢志摩の真珠は宝石としてブランド価値がありますが、産地だからこそ生産者や育つ海のこと、またあこや貝や鮑貝についてお伝えすることで、より深く魅力を感じていただければ嬉しいです」。
バックチャームの紐は伝統工芸品「伊賀組紐」を使うなど、細部までこだわり、三重の伝統と洗練された感性を組み合わせたアイテムです。
 

ホテルアクティビティでバックチャーム作りを体験。
 

色や形、大きさが少しずつ違う真珠から1粒を選びます。この時間が何とも贅沢。そして薄く加工した円形の鮑貝、あこや貝はそれぞれの表情の違いが魅力的。
お客様自身で貝の最後の仕上げ磨きを行っていただくことで、より美しく鮮やかな七色の輝きになります。講師が真珠や鮑貝に穴を開けた後、お好みの色の伊賀組紐を通したら完成です。

ホテルの開業時から海外の真珠バイヤーをもてなしてきた歴史あるホテルで、伊勢志摩ならではの特別な思い出を。
 

真珠と鮑貝、またはアコヤ貝を加工したプレートを組み合わせてチャームを作ります。ご自身用のお土産、プレゼントにも。

会場 ザ クラブ2F
定員 各回8名様
参加費 1個 1,500円(税込)
※料金は変更になる場合がございます。

※開催日や時間はホテルホームページにてご案内しています。
※ご宿泊のお客様限定です。

伊勢志摩の地は、ゆるやかな時間の流れに合わせて、表情を少しずつ変えながら、四季折々の味覚や色彩を私たちに届けてくれます。
そんな季節の移ろいとともに、志摩観光ホテル季刊誌「志摩時間」では、地元の文化や豊かな自然などを通じて、伊勢志摩の四季をご紹介しています。

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